栄養教室
第43回 栄養教室「高齢者の食事について」を行いました (2016.7.21)

7月21日木曜日14:00~15:00に院内ハートホールにて栄養教室を行いました。
今月のテーマは「高齢者の食事について」です。

初めに循環器内科の江原医師より挨拶をして頂きました。

高齢者で問題となってくることは低栄養です。低栄養になると筋肉量や筋力が減少し、体力を落としてしまいます。そうなると、身体は病気になった時に回復が遅くなったり、予後が悪いというような報告もあります。高齢者にとってしっかり食べてきちんとした身体の蓄えを持っておくことが大切であるというお話でした。

様子

続いて栄養士から、「高齢者の食事について」をテーマにお話しました。

高齢者は様々な身体の変化によって食事量が減少し、低栄養に陥りやすくなります。食生活にかかわってくる身体の変化は以下のものです。

  • 食欲の低下
  • 味覚の低下(特に塩味と甘味)
  • 嗜好の変化
  • 噛む力、飲み込む力の低下
  • 唾液の分泌量の減少
  • 消化液の分泌量の減少
  • 腸の働き(蠕動運動)の低下

食べやすいものや自分の好みのものが中心になってくるとどうしても食事が偏り栄養も偏ってしまいます。いろんなものを食べることが大切ですが、特に次の2つが不足すると筋肉量や筋力を低下しやすいので、きちんと食べることが大切です。

  1. たんぱく質:肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品など
  2. ビタミンD:魚類、きのこ類(肉類や野菜類や海藻類にはほとんど含まれていない。)

また、低炭水化物ダイエットのような主食を摂らないような食事内容は、筋肉を作るためにせっかく摂ったたんぱく質をエネルギーを補うために使われてしまい、結果的に身体の蓄えに必要なたんぱく質が摂れず低栄養につながります。食べ過ぎは控えた方がいいですが、不必要な制限は禁物です。

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噛む力や飲み込む力が低下してくると食べれるものもの限られ、食事量が減少したり、食品が偏りやすくなるため、食べやすくするための工夫を紹介しました。

また、食事をする環境も食事量や食品摂取の多様性にかかわってきます。いつも独りで食べるのではなく、家族や友達などと一緒に食べることで食事の時間を楽しいものにすることも大切になります。

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最後に、どうしても食べられない時に利用する栄養補助食品を紹介しました。

今回は㈱明治のメイバランスソフトJelly(写真右から1番目と2番目)とメイバランスmini(写真右から3番目)、森永乳業のPREMiLプレミル(写真左端)を紹介させていただきました。

メイバランスminiは1本でおよそご飯120g(茶碗軽く1杯)分のエネルギーと卵1個分のたんぱく質を摂ることができ、他にもさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。これらの商品も含め最近はドラッグストアなどでも栄養補助食品が購入できます。どうしても食べられないときは、このような栄養バランスのいいものを選んで補給するようにしましょう。

様子

今月の試食は「豆腐ハンバーグ」と「ほうれん草のお浸し」です。

ハンバーグに豆腐を加えることで、柔らかくすることができます。さらにひき肉は1度ミキサーにかけたり、しっかり練ってなめらかにするとより口当たりがよく、食べやすくなります。

ほうれん草などの葉物は茎と分けて茎をしっかり茹でて柔らかくすること、葉の部分は葉を広げた状態からくるくる丸めて厚みを出すことによって噛み切りやすくなります。

試食

料理
豆腐ハンバーグ(1人分)
エネルギー :271kcal
食塩相当量:0.7g
料理
ほうれん草のお浸し(1人分)
エネルギー :16.6kcal
食塩相当量:0.4g
様子

今月は暑い中にもかかわらずたくさんの方にお越しいただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。今後の予定は下記のとおりです。

  • 8月19日(金)「血糖値が気になる方へ」
  • 9月21日(水)「脂質異常症の方へ」
  • 10月13日(木)「免疫力を付けよう」

夏も本番となってきてますが、しっかり食べて体力を付けて夏を乗り越えていきましょう。 またのご参加お待ちしております。

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