心臓リハビリテーション部門
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2022.6.1
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見直そう!食塩の摂りかた ~目指せ減塩生活 vol.2~

6月に入り初夏がやってきました。これからどんどん気温が上昇し、食卓に並ぶ食材にも変化が表れる時期ではないでしょうか。今月は先月に引き続き減塩についてのお話です。気候の上昇と共に食べたいと思う食事内容も変化するものですが、気付いたら食塩の過剰摂取になってしまった!などとならないようにしていきましょう。

♥ 日本人は食塩摂りすぎ

先月も少し触れましたが、和食の多い日本人は日常的に食塩の摂りやすい状況にあります。図1に日本における食塩の摂取源とその寄与割合を示しました1)。この図を見て分かるように、そのほとんどが調味料や加工品によるものです。特に醤油や味噌は日本ならではの調味料で、毎日の食卓に欠かせないものです。また、漬物や干物、練り製品(魚介)は日本独特の加工品ともいえ、ご飯のお供や酒のつまみ、副食の一部として食卓に上がりやすいのが特徴です。それだけに和食は食塩の過剰摂取につながりやすいのですが、逆から考えるとこれらの調味料や加工品を減らすことで減塩はできる、ということになります。

図1

♥ 早速実践!具体的な減塩方法

それではどうやって減塩をしていけばいいの?ということですが、まずは目に見える塩分を減らすことです。前述した調味料や加工品はまさにそれで、口に入ればその分の塩分を摂ることになりますが、口に入れなかったら塩分も摂らないことになります。要するに調味料を無駄に使えばその分は過剰になり、加工品も食べれば食べた分だけ過剰になる。ということです。まずはそういったことを意識することが大切です。

そこで実践につながる減塩のポイントをまとめました。

●調味料からの食塩を減らす

調味料はかけるよりつける方が少量で済みます。実際に調味料をかけたときに、少しかけすぎたなと思った時は、実は3~5倍もの量をかけてしまっていることがほとんどです。調味料はごく少量をつける、を心がけましょう。図2に減塩のコツを示しました。調味料以外の味付けや、他の食材を活かしておいしく減塩を試みましょう。また最近は減塩の調味料も多く出回っています。醤油以外に麺つゆやだし、ケチャップやソースまで様々です。そういった減塩商品をうまく活用していくのも調味料からの食塩を減らすコツです。

図2

●加工品からの食塩を減らす

加工品は水産練り製品や食肉加工品、レトルト食品やインスタント食品、缶詰や漬物や佃煮など多岐に渡ります。現代ではこのような加工品が豊富で、スーパーやコンビニでも購入でき簡単に食べられることから、どうしても摂取頻度も増えて食塩の過剰摂取になりやすいのが現状です。これらの食品からの食塩を減らすには、とにかく食べる頻度や量を控えること。これに尽きます。食べる際は量や回数を考えることが無駄な食塩を摂らないコツです。

イラストイラストイラストイラスト

●汁物からの食塩を減らす

汁物は食塩の宝庫です。飲めば飲むほど必然的に食塩は体内に取り込まれす。汁物はただ単に薄めるというよりは、量や回数を減らして飲む方が効果的です。そして汁といえばうどんやラーメンのつゆやスープを飲むのは厳禁。おかずにはならないもので無駄な食塩を摂るようなことは止めましょう。

●外食や中食を見直す

外食や中食(惣菜など)は万人受けするように味付けは全体的に濃く仕上がっています。おいしく感じるようにしっかり味をつけているので、食べるものにもよりますが確実に食塩の過剰摂取につながります。しかし、選び方や食べ方さえ知っていれば食塩を減らすことは可能です。例えばお皿に残ったソースやタレは残す。定食の味噌汁や漬物は残す。これだけでも十分に減塩につながります。

写真
減塩のコツ早わかり(女子栄養大学出版部)

♥ 減塩の意識をもつことが重要

減塩は意識でかわります。少し意識して気を付けるだけで口から入る食塩の量は減らせます。逆に少し気を緩めてしまうと、あっというまに口から入る食塩の量も増えます。減塩のコツは調味料、加工品、汁物、外食を見直すこと。ごく簡単なことですが、これらを意識、実践するだけで確実に減塩につながります。小さな積み重ねを習慣にし、大きな減塩効果を期待しましょう。

参考文献:

  1. 日本高血圧学会 減塩委員会報告2012